食費といっても、どこまでを食費として扱えばいいのか迷うことはありませんか?
家計簿につける時は、外食もお総菜も食べ物はすべて食費として書くべき?
実は、食費ひとつでも分け方のルールを決めることで、お金が貯まりやすい家計簿を作ることができます。
反対に、ルールのない家計簿はつけているだけでお金の貯まらないただの記録帳。家計簿としての役割を果たさなくなる可能性が高まります。
家計簿歴15年以上、1000件以上の家計相談に答えてきた経験と実績とから、お金が貯まりやすい家計簿にするための「食費」の分類の仕方を紹介します。
一般的に「食費」と言う時には、食材、調味料、酒、おやつなど、家庭内で消費するもの以外にも、外食や給食までも食費としてみなす場合があります。
一方で、雑誌などで良く掲載されている「〇人家族で食費〇万円!」というような場合には、「外食」「酒代」は含まれていない場合もあったりと、食費の定義は意外とまちまちであることが多い傾向があります。
雑誌や統計でも基準がそれぞれなので、何を食費として家計簿につけているかも「家庭によってまちまちになりやすい」と言えます。
以下「これって食費?」と迷ってしまうものの分類法をまとめていきます。
家計簿をつけていると、「外食」は「食費」なのかどうか?ということに迷うことがありますよね。
ときには、家族で楽しむ外食だけでなく、仕事上の付き合いで誘われたバーベキューなどに参加することもあり、これは「食費」ではなくて「交際費」では?と思うこともあり分類に迷ってしまいますよね。
私の長年の経験と実績から判断すると、「食費」のなかに「外食」を含めている家計簿はお金が貯まらない傾向があります。
なぜなら、外食はいつ何回行くか決めていないことも多く、人から誘われる外食もいつ誘われるか分からないことが多いからです。
つまり、不確定要素によって「食費の金額が大きく左右されてしまう」ことになります。
予算を決めても、1回の外食であっという間に予算オーバー。予算の意味がなくなる傾向があります。
なかには「外食費」という費目を作っている方もいますが、これもオススメできません。
なぜなら、「外食費」という費目を作ったところで、外食は不確定要素が高いものには変わりがありません。
食費から外食を外すことで食費の予算が守れるようになっても、外食の予算は月によってバラバラで全然守れないということになりやすいからです。
食費の予算も外食の予算も両方守れるようにするためには、外食は食費ではなく「娯楽費」という複合費を使うことをオススメします。
■参考;「娯楽費」とは?娯楽費についてはこちらの記事にまとめてあります。
・娯楽費とは?月平均や内訳の例。家計簿の交際費やレジャー費との違いは?
「酒」は「食費」にした方がいいのか「酒費」という費目を作って管理したほうがいいのかと迷うこともありますよね。
結論からお伝えすると、酒代は、基本的には「食費」でよいと考えます。
ただし、酒の量が多く「月に数万円は当たり前」という場合は「酒費」という費目を作ってもいいでしょう。
それ以外の毎月数千円分、だいたい一定量を購入しているという場合はわざわざ「酒費」という費目を作る必要はありません。
なぜなら、毎月だいたい一定量を購入している場合は、わざわざ費目にしなくてもだいたい毎月一定額で収まっているからです。
そのような支出に毎月集計をしたりする作業は時間がかかりますし手間になります。
また、今月は買うけど来月は買わないというようなバラつきがある買い方をしている場合は、わざわざ費目にしても予算が守れない支出になりやすいので、「酒費」をつくるとかえって管理しにくい支出になる可能性があります。
したがって、基本的には「食費」がオススメです。
こどものおやつもどこまで食費にするべきかということは迷うことがあります。
例えば、お友達のおうちに行く時に手土産代わりに持たせるお菓子は「食費」なのか「交際費」なのかというようなケースです。
私のオススメは、基本的には「食費」です。
なぜなら、こどものおやつ程度の支出は、普段の買い物のついでに購入する事が多いからです。
普段の買い物のついでに買っている品物ですから、普段の食費のレシートにおやつ代が紛れていることになります。
それをいちいちレシートの中から抜き出して集計するというのは非常に手間がかかり、効率が良くありません。
ですから、基本的には「食費」がオススメです。
わが家でも、子ども達が普段食べるおやつだけでなく、習い事の帰りにお友達と交換するおやつや、お友達のおうちにお邪魔させていただく時にもたせるおやつや、遠足の時に持たせるおやつなどが月に4,5千円かかっていますが、すべて「食費」で処理しています。
ただし、「ドーナツ1000円分を差し入れした」など毎月頻繁には買わない特別なおやつの場合は「娯楽費」にしています。
特に節約を頑張りたいという場合のみ、おやつはすべて「娯楽費」にすると節約効果が高まります。
例えば、公園などちょっとしたお出かけをしたついでにかったコンビニ弁当や、旅行に行った時の外食は「食費」なのか迷うことがあります。
私のオススメは「食費」ではなく「娯楽費」「特別費」です。
「娯楽費」「特別費」のどちらにいれるかは、イベント性が高いかどうか、めったに行かないかどうかで判断します。
例えば、旅行などは一般的には毎月行くようなものではないですよね。そのような場合は、旅行代の一部として考え、「特別費」にします。
■参考:特別費とは?特別費については、こちらの記事でまとめています。
・【特別費】はいくら?特別費の内訳・年間予算の立て方・貯める方法(まとめ)
一方、公園にいったついでに買ったコンビニ弁当などは、イベント性は高くないので「娯楽費」にします。
このように分類することで、普段の食費の予算が守れないという現象を防ぐだけでなく、いくらまでなら外食につかってもいいのかということが分かるようになる効果が期待できます。
自動販売機で買ったジュースなども「食費」ではなく「娯楽費」にするのがオススメです。
コンビニで買ったコーヒー、ふらっとたちよったカフェ代なども「食費」ではなく「娯楽費」です。
普段は手作りの夕食を準備しているのだけど、「疲れてしまって」「体調不良で」などの理由で今日だけはすべてお総菜ですませるというような日もありますよね。
そのような日の食費は「いつもは1日2000円で済む食費が5000円になってしまった」というような場合があります。
この5000円をいつもの食費にいれると、月末に食費の予算がカツカツになってしまって、結局いつもの食費の予算がオーバーしてしまう。
このような現象に悩まされる方もいます。
このような場合は、いつもの食費としてかかる2000円分だけを食費に計上し、残り3000円を「娯楽費」に計上するのもオススメです。
こうすることで、いつもの食費の予算を守ることができます。
これは家計簿の予算を守るための裏ワザで、経理の方などが会社でやったら違反になりますが、家庭の家計簿でしたらこの程度の裏ワザは許容範囲と私は考えます。
普段は、給食を食べてくるので子どものお昼ご飯代は給食費で済ませられているのに、子ども達が長期休みに入るとお昼ご飯代がかかるようになってしまう。そのため、子どもの長期休みがあると、普段の食費や娯楽費がカツカツになってしまうという場合があります。
このような場合は、「夏休み費」として月数千円でも「特別費」に予算を計上しておくことをオススメします。
■参考:夏休みなど長期休みの時の対策法はこちらにまとめてあります。
・夏休みのお昼ご飯代が家計を圧迫?!上手に予算を立てるには?
ひとくちに「食費」といっても、何を食費とするのかは特に家計簿をつけ始めたばかりの初心者は迷うことがあります。
なおかつ、特にルールを決めずに何でも食事に関わる支出は食費にしていると「予算が守れない家計簿=つけても貯まらない家計簿」になる可能性が高まります。
上記のように分類のルールを決めると、予算が立てやすく守りやすい家計簿にすることができますので、したがって「つけるだけでお金が貯まる家計簿」にすることができます。
是非やってみてくださいね。
合わせてご覧いただくと、理解が深まります!
↓家計簿初心者が迷いやすい費目についての記事はこちらにまとめてあります!
・費目(項目)の考え方(まとめ)
あき:家計簿&家計管理アドバイザー。家計研究家。1000件以上の家計相談に回答。
家計簿、家計管理、節約術、貯金術などお金に関する執筆多数。NHK,フジテレビなどのテレビにも出演。掲載雑誌なども多数。
東京都在住。子ども3人5人家族の主婦。
おもな著書は以下の3冊。
「1日1行! 2年で350万貯めた あきのズボラ家計簿」
「年1回見直すだけ! ラクして貯まる! あきのズボラ家計管理」
「1日1行書くだけでお金が貯まる! 「ズボラ家計簿」練習帖 (講談社の実用BOOK)」