自営業の家計簿。経費と生活費の按分はどうしたらいい?
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- 家計簿のつけ方
こちらは、家計簿・家計管理アドバイザーが日頃の「家計管理に関する疑問や質問」にお答えするコーナーです。
※その他免責事項をお読みください。
あきさん、初めまして。
私は最近、個人事業主として働き始めて、65万控除を受けるために青色申告の帳簿付けを学ぶようになりました。
職業柄、生活費と事業費が混在するので最初はかなりストレスを感じていたものの、お金の流れを可視化させることに少しずつ楽しみを見出せるようになってきています。
そこで生活費も事業の帳簿と併せてしっかり管理できるようになりたいと思い、あきさんのHPに辿り着きました。
手書きの家計簿はハードルが高いので、MF MEを試しに使い始めています。
そこで質問なのですが、私は携帯代を按分して、事業費と生活費に分けて帳簿付けしています。(事業用のクレジットカードで決済をし、事業用の口座から引き落とし。)
あきさんのブログには、自営業家計簿の注意点として「生活の支出」と「仕事にかかる支出」をごちゃごちゃにしない、とよく書かれていますが、経費を按分している場合は、どのように処理をすれば良いのでしょうか?
確定申告は、MFクラウドを利用しているので、MF MEと連携させることも出来るかと思いますが、MF MEは完全に生活用として使っているので、事業用クレジットカード、事業用口座は連携させていません。
また、まだアプリを使い始めたばかりで無料機能を使っており、グループ機能も1つしか作成できないため、事業用のグループも作っていません。
家計簿も確定申告の帳簿付け同様に奥が深いなと感じていますが、私みたいな個人事業主で、事業費と生活費が混在しており、クレジットカードや口座は分けているものの、経費を按分した分についてはどのように家計簿にて処理できるのか、解説している記事がなかなか見つからないので、あきさんに質問させていただきました。
どうぞ宜しくお願い致します。
ご質問ありがとうございます。家計簿・家計管理アドバイザーのあきです。
「自営業の家計簿」についてですね。
しかし、とはいえ複雑な家計簿というのは、つけ続けるのも苦痛ですし、管理も難しくなるものです。
そこで今回は、「簡単な自営業の家計簿のつけ方」について一緒に考えていきたいと思います。
家計簿をつけていない人でも、ほとんどの自営業の人は「税務署に提出するための帳簿」は必ずつけています。
しかし、いっぽうで生活費の管理はどんぶりになりやすく、お財布の中に事業のための経費のお金と、生活費のお金がごちゃごちゃに入っていて、「どこまでが経費でどこまでが生活費か分からない」という人がいるので注意が必要です。
このようなことになってしまうと、保管してあるレシートから経費分だけ支出を抜き出すのも面倒ですし、経費の帳簿にもつけ忘れや紛失などが起こりやすくなります。
できればお財布やクレジットカードごと分け、経費と生活費がごちゃごちゃにならないように工夫しましょう。
その上で、生活費についてのみ家計簿につけるというのが、自営業の家計簿のつけ方の基本です。
例えば、自宅兼事務所になっており、住居費のいくらかを経費として按分している場合、家計簿には、按分した後の支出を家計簿につければいいのか、案分する前の支出を家計簿につければいいのかという場合もあると思います。
そのような場合は、基本的には按分後の支出で家計簿につけてしまった方が分かりやすいのではないでしょうか。
例えば、10万円の支出があり、生活費が7万円、経費が3万円なら、生活費の7万円分のみを家計簿につけるといった具合です。お金を生活費または経費で立て替えているなら清算し、事業のためのお金と生活費がごちゃごちゃにならないようにしておいた方が良いでしょう。
例えば、月3000円のみを生活費の方で按分しているなら、3000円のみを手入力で家計簿に入力し、3000円を経費の方に渡して清算するといった具合です。
家計簿の分については、特に一般的な家計簿アプリを利用している場合、クレジットカードの支出などを自動的に都度任意の割合で按分できるわけではないと思いますので、できるだけ事業用のカードは生活費用の家計簿アプリには連携しない方が簡単だと思います。
いずれにせよ、生活費を管理する家計簿であれば、多少間違いがあっても税務署から問い合わせが来るわけではありませんから、都度電卓をたたかなければいけないような面倒なものにできるだけしないことが大切です。
基本的には個人の自由である家計簿の範囲であれば、どのような方法を採用していただいてもかまいませんが、継続するのが簡単な状況にしておくことをおすすめいたします。
■参考:自営業の家計簿については、こちらの記事でもまとめています。
※その他免責事項をお読みください。
今回のご相談内容
あきさん、初めまして。
私は最近、個人事業主として働き始めて、65万控除を受けるために青色申告の帳簿付けを学ぶようになりました。
職業柄、生活費と事業費が混在するので最初はかなりストレスを感じていたものの、お金の流れを可視化させることに少しずつ楽しみを見出せるようになってきています。
そこで生活費も事業の帳簿と併せてしっかり管理できるようになりたいと思い、あきさんのHPに辿り着きました。
手書きの家計簿はハードルが高いので、MF MEを試しに使い始めています。
そこで質問なのですが、私は携帯代を按分して、事業費と生活費に分けて帳簿付けしています。(事業用のクレジットカードで決済をし、事業用の口座から引き落とし。)
あきさんのブログには、自営業家計簿の注意点として「生活の支出」と「仕事にかかる支出」をごちゃごちゃにしない、とよく書かれていますが、経費を按分している場合は、どのように処理をすれば良いのでしょうか?
確定申告は、MFクラウドを利用しているので、MF MEと連携させることも出来るかと思いますが、MF MEは完全に生活用として使っているので、事業用クレジットカード、事業用口座は連携させていません。
また、まだアプリを使い始めたばかりで無料機能を使っており、グループ機能も1つしか作成できないため、事業用のグループも作っていません。
家計簿も確定申告の帳簿付け同様に奥が深いなと感じていますが、私みたいな個人事業主で、事業費と生活費が混在しており、クレジットカードや口座は分けているものの、経費を按分した分についてはどのように家計簿にて処理できるのか、解説している記事がなかなか見つからないので、あきさんに質問させていただきました。
どうぞ宜しくお願い致します。
「自営業の家計簿」についてですね。
自営業の家計簿
自営業の家計簿は、事業のための経費と生活費の「2つの帳簿」が必要になるため、複雑になりがちです。しかし、とはいえ複雑な家計簿というのは、つけ続けるのも苦痛ですし、管理も難しくなるものです。
そこで今回は、「簡単な自営業の家計簿のつけ方」について一緒に考えていきたいと思います。
1 自営業の家計簿の問題点
自営業の人には、一般的なサラリーマンの人とは違い、事業に使う経費と生活費の2つの支出があります。家計簿をつけていない人でも、ほとんどの自営業の人は「税務署に提出するための帳簿」は必ずつけています。
しかし、いっぽうで生活費の管理はどんぶりになりやすく、お財布の中に事業のための経費のお金と、生活費のお金がごちゃごちゃに入っていて、「どこまでが経費でどこまでが生活費か分からない」という人がいるので注意が必要です。
このようなことになってしまうと、保管してあるレシートから経費分だけ支出を抜き出すのも面倒ですし、経費の帳簿にもつけ忘れや紛失などが起こりやすくなります。
2 自営業の家計簿のつけ方の基本
上記の点を踏まえ、自営業の人の家計簿は、まず経費と生活費を明確に分けて家計簿につけることが大切です。できればお財布やクレジットカードごと分け、経費と生活費がごちゃごちゃにならないように工夫しましょう。
その上で、生活費についてのみ家計簿につけるというのが、自営業の家計簿のつけ方の基本です。
3 按分している支出はどうする?
なお、自営業の人には、按分している支出というのも存在します。例えば、自宅兼事務所になっており、住居費のいくらかを経費として按分している場合、家計簿には、按分した後の支出を家計簿につければいいのか、案分する前の支出を家計簿につければいいのかという場合もあると思います。
そのような場合は、基本的には按分後の支出で家計簿につけてしまった方が分かりやすいのではないでしょうか。
例えば、10万円の支出があり、生活費が7万円、経費が3万円なら、生活費の7万円分のみを家計簿につけるといった具合です。お金を生活費または経費で立て替えているなら清算し、事業のためのお金と生活費がごちゃごちゃにならないようにしておいた方が良いでしょう。
4 質問者様の場合はどうする?
質問者様の場合、按分しているのは携帯電話で、事業用のカードで決済しているということですので、基本的には、事業用のカードはアプリに連携せず、生活費で按分した分のみを家計簿に手入力し、経費の方のお金として渡す方が簡単かと思います。例えば、月3000円のみを生活費の方で按分しているなら、3000円のみを手入力で家計簿に入力し、3000円を経費の方に渡して清算するといった具合です。
自営業の家計簿(まとめ)
自営業の人は、まずしっかりつけなければいけないのは事業用の帳簿です。こちらについては私は税理士ではありませんので回答いたしません。家計簿の分については、特に一般的な家計簿アプリを利用している場合、クレジットカードの支出などを自動的に都度任意の割合で按分できるわけではないと思いますので、できるだけ事業用のカードは生活費用の家計簿アプリには連携しない方が簡単だと思います。
いずれにせよ、生活費を管理する家計簿であれば、多少間違いがあっても税務署から問い合わせが来るわけではありませんから、都度電卓をたたかなければいけないような面倒なものにできるだけしないことが大切です。
基本的には個人の自由である家計簿の範囲であれば、どのような方法を採用していただいてもかまいませんが、継続するのが簡単な状況にしておくことをおすすめいたします。
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合わせてご覧いただくと、理解が深まります。■参考:自営業の家計簿については、こちらの記事でもまとめています。
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